南欧の古典産地、ポルトガルの名高いパナスケイラ鉱山からの蛍石単結晶と黄鉄鉱の共生標本、母岩の上に微細な結晶は乱雑に群生し、結晶形態、バランスや産状の若干荒いほとんどのポルトガル蛍と一線を画し、水晶と思われる母岩から綺麗に分離されたことで結晶にダメージを与えず、得難いポルトガル蛍はさらにまとまりの非常に優れた六面体、フローター産状大結晶として保存され、ジューシーなブルーベリーグミのような質感と極めて端正なバランスでディスプレイできるポルトガル蛍の極美キューブです。蛍単結晶にしてかなり立派な最大幅約2.7センチ、重量約110カラットにも達し、極めて端正でぎっしりとした六面体キューブ状に整っています。注目すべき標本全面は無数の結晶紋が描き出した壮大な幾何学模様に覆われ、結晶全体は高雅な菫青の色調に呈し、UVライトで強く蛍光します。結晶の底部には規則正しい六角錐状接触面が確認でき、ダメージではありません。おそらく水晶の先端と推測される母岩から綺麗に分離されたことで蛍結晶にダメージを与えず、ポルトガル蛍の得難いフローター産状単結晶として保存されています。六角錐状接触面には地域典型的な緑泥石と菱鉄鉱が混ざる薄い殻が確認でき、その上に無数の黄鉄鉱結晶が晶出しながら蛍に内包され、互いに補色関係で良いアクセントを作り出します。最も特筆すべきことはやはり結晶形態、バランスや産状の若干荒いほとんどのポルトガル蛍と一線を画したフローター産状六面体大結晶ならではの展示風景で、ジューシーなブルーベリーグミのような質感と極めて端正なバランスでディスプレイできるポルトガル蛍の極美キューブです。オリジナルラベル、専用展示台が付属致します。
風光明媚なイベリア半島西側、ポルトガル中北部のコヴァ・ダ・ベイラ地方にタングステン資源の巨大鉱山、名高いパナスケイラ鉱山が位置します。文献によるとこの地域では錫資源が漂砂鉱床で採掘された歴史はローマ時代に遡ることができるが、ローマ帝国が滅亡後の西ゴート王国や東ローマ時代を経て、711年から1492までイベリア半島全土は北アフリカからのイスラム文明によって800年に近く統治され、鉱業の歴史は一時的に途絶えた。異教による統治下、イベリア半島北部にはアラゴン王国やアストゥリアス王国、カスティーリャ王国、ポルトガル王国などの教国が次第に建国され、キリスト教による半島再征服運動レコンキスタが始まり、最終的にカトリック両王と呼ばれるアラゴン王フェルナンド2世とカスティーリャ女王イサベル1世の結婚によるスペイン王国の成立はレコンキスタに拍車をかけ、1492年1月2日にアルハンブラ宮殿(イベリア最後のイスラム王朝・ナスル朝がスペイン南部に建てられた宮殿、個人的に特に気に入ったスペインの作曲家フランシスコ・タレガ作古典名曲『アルハンブラ宮殿の思い出』からも強烈なアラブ風リズムが感じられます)の陥落によってグラナダの戦いは勝利を迎え、イベリア半島からイスラム王朝は完全に駆逐されました。異教の統治から解放されたイベリア半島はスペインとポルトガルの二大王国のカトリック勢力によって統治され、後に両国は競い合って海に乗り出し、大航海時代の開幕であります。しかしアフリカや新世界であるアメリカ大陸から巨額の富を得た両国の統治者は自国の開発に背を向け、またカトリックを国家理念として推進した宗教的保守政権は異端審問、宗教裁判などを苛烈に実行し、科学技術や文化の発展が妨げられたこのような暗黒時代はヨーロッパ本土よりもさらに長く、19世紀初頭まで続きました。その結果、イベリア半島のほとんどの鉱物産地は19世紀末或いは20世紀初頭の第一次世界大戦をきっかけに開発され、パナスケイラ鉱山もその典型的な一例です。19世紀末に、パナスケイラ鉱山が位置する山地は近隣のセボラ村の人々によってジャガイモ、トウモロコシやライ麦を収穫する棚田が開拓され、畑でよく見かける複数種類のイネ科植物の通称であるパナスコにちなんで地域をパナスケイラに命名し、鉱山の名前の由来でもあります。1898年に地域の炭焼き職人であるオ・ペスカン・デ・カセガスは作業中に金属光沢が輝く黒い鉱石を発見し、後の探鉱に鉄マンガン重石鉱脈が判明されたパナスケイラ地域は1898年11月に鉱山が初めて設立されました。鉄マンガン重石から抽出された最も重要な資源であるタングステンはその大きい比重と密度、高い融点で当時の弾頭や装甲に多く利用され、1914年に第一次世界大戦の勃発とそれに伴うタングステンの価格上昇によってパナスケイラ鉱山の面積が大きく拡張し、その後の第二次世界大戦では中立を保つポルトガルは枢軸国と連合国両方にタングステンを供給し、鉱山最盛期の1943年には1万人を超えた従業員が在籍していました。1950年代の朝鮮戦争を経て、1990年代の鉱山はタングステン資源価格の低迷や競合する鉱山の出現、及び鉱水の問題で一時閉鎖された時期もあったが、2004年に鉱山の大規模採掘が再開し、現在に至っています(画像10)。ちなみにパナスケイラ鉱山は2007年から2016年までに日本の双日商社によって買収、運営され、現在の鉱山採掘権はタングステンの採掘と探査の専門社、カナダに位置するアルモンティ・インダストリーズ社が所有します。パナスケイラは主に先カンブリア紀の海洋性頁岩が花崗岩マグマの貫入によって形成された変成岩ホストの石英脈から鉱物が回収され、最も重要な産業鉱物は前述の鉄マンガン重石で、錫や銅鉱石は副産物として採掘されます。観賞用鉱物の世界ではパナスケイラ鉱山は各種硫化金属鉱物や燐灰石、特にポルトガル蛍の代表的な産地として知られています。こちらの標本は南欧の古典産地、ポルトガルの名高いパナスケイラ鉱山からの蛍石単結晶と黄鉄鉱の共生標本、母岩の上に微細な結晶は乱雑に群生し、結晶形態、バランスや産状の若干荒いほとんどのポルトガル蛍と一線を画し、水晶と思われる母岩から綺麗に分離されたことで結晶にダメージを与えず、得難いポルトガル蛍はさらにまとまりの非常に優れた六面体、フローター産状大結晶として保存され、ジューシーなブルーベリーグミのような質感と極めて端正なバランスでディスプレイできるポルトガル蛍の極美キューブです。蛍単結晶にしてかなり立派な最大幅約2.7センチ、重量約110カラットにも達し、極めて端正でぎっしりとした六面体キューブ状に整っています。注目すべき標本全面は無数の結晶紋が描き出した壮大な幾何学模様(画像1,3,8)に覆われ、結晶全体は高雅な菫青の色調に呈し、UVライトで強く蛍光(画像4)します。結晶の底部には規則正しい六角錐状接触面(画像7)が確認でき、ダメージではありません。おそらく水晶の先端と推測される母岩から綺麗に分離されたことで蛍結晶にダメージを与えず、ポルトガル蛍の得難いフローター産状単結晶として保存されています。六角錐状接触面には地域典型的な緑泥石と菱鉄鉱が混ざる薄い殻が確認でき、その上に無数の黄鉄鉱結晶が晶出しながら蛍に内包され(画像9)、互いに補色関係で良いアクセントを作り出します。最も特筆すべきことはやはり結晶形態、バランスや産状の若干荒いほとんどのポルトガル蛍と一線を画したフローター産状六面体大結晶ならではの展示風景で、ジューシーなブルーベリーグミのような質感と極めて端正なバランスでディスプレイできる(画像2,3,4,5,8)ポルトガル蛍の極美キューブです。オリジナルラベル、専用展示台が付属致します。
この度コレクション整理のため出品いたします、この機会をぜひお見逃しなく。
注意事項
※写真は白熱灯/UVライト環境で撮影しております。
※天然石のため、多少のヒビや欠け等のダメージがあります。
※お使いのモニターにより写真と実物で色が異なる場合がございます。
※サイズや重量に若干のズレがある場合がございます。
※台座やミネラルタックは付属しません。
不明点につきましては、ご購入前にご確認をお願い致します。